親の入院や要介護認定をきっかけに、仕事を辞めるべきか悩む方は少なくありません。総務省の調査でも、介護を理由に離職する人は毎年10万人規模で発生しているとされます。しかし、いったん離職すると収入が途絶えるうえ、介護が終わったあとの再就職も容易ではありません。
そこで知っておきたいのが、育児・介護休業法にもとづく介護休業です。誤解されやすいのですが、介護休業は「自分が付きっきりで介護をするための休み」ではありません。制度の趣旨は、仕事と介護を両立できる体制を整えるための準備期間を確保することにあります。ケアマネジャーを決め、介護保険サービスを組み立て、必要なら施設を探す。この段取りに休業を使うという考え方が、結果的に離職を防ぎます。
| 項目 | 内容(目安) |
|---|---|
| 対象家族 | 配偶者(事実婚含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 |
| 取得できる日数 | 対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割可能 |
| 対象となる状態 | 負傷・疾病・身体上または精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態 |
| 申し出の期限 | 原則として休業開始予定日の2週間前まで |
| 賃金 | 法律上の支払い義務はない。かわりに雇用保険から介護休業給付金 |
ポイントは、要介護認定を受けていなくても取得できることです。「常時介護を必要とする状態」には国が示す判断基準があり、要介護2以上であればおおむね該当するとされますが、それ未満でも歩行や排泄、食事などの項目の状態によって該当する場合があります。認定申請と並行して休業を申し出ることも可能です。認定の流れは要介護認定の申請方法と流れをご確認ください。
よく混同されるのが「介護休暇」です。こちらは別制度で、通院の付き添いやケアマネジャーとの面談など、短時間のスポット対応に使います。
実務上は、介護休暇で日々の用事をこなし、入院・退院や施設入居といった山場で介護休業を使う、という組み合わせが現実的です。あわせて、介護を理由とした所定外労働の免除(残業免除)や時間外労働・深夜業の制限、短時間勤務等の措置も法律で定められています。休業だけでなく、これらの働き方の調整とセットで会社に相談すると、選択肢が広がります。
なお、在宅での介護をどこまで続けるかの判断に迷っている段階なら、在宅介護の限界サイン7つも参考になります。休業を取るべきタイミングの見極めに役立ちます。
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