老人ホームは「終の棲家」と考えられがちですが、実際には契約に定められた条件に当てはまると、施設側から退去を求められることがあります。入居後に慌てないためには、どんなケースで退去になり得るのかを事前に知り、契約書の内容を確認しておくことが大切です。
退去の話が出るのは、多くの場合、入居者の心身の状態が変わったときです。家族にとっては突然の知らせに感じられますが、施設側も「このままでは安全に暮らしていただけない」と判断した結果であることが少なくありません。感情的に対立するのではなく、状況を共有しながら次の選択肢を一緒に考える姿勢が、結果的に本人にとって良い住み替えにつながります。
なお、施設は正当な理由なく一方的に退去させることはできず、一般的には一定の予告期間(90日前後が目安)を設けたうえで、本人・家族と話し合う流れが取られます。
| 理由 | 具体例 |
|---|---|
| 医療ニーズの変化 | 常時の医療処置(人工呼吸器、頻回のたん吸引など)が必要になり、施設の体制では対応が難しくなった |
| 長期入院 | 入院が契約で定める期間(3か月程度が目安)を超え、退院の見込みが立たない |
| 費用の滞納 | 月額利用料の支払いが数か月にわたって滞っている |
| 他の入居者への迷惑行為 | 暴力・暴言など、施設が十分な対応を尽くしても改善が見込めない行為が続く |
| 入居要件から外れた | 自立向けの施設で要介護度が上がった、グループホームで認知症以外の理由で共同生活が難しくなった など |
住宅型有料老人ホームやサ高住、グループホームは看護職員の配置が少ない、または夜間不在のことがあり、医療的なケアが増えると生活の継続が難しくなる場合があります。一方、介護付き有料老人ホームや特養、看護体制が手厚い施設は、比較的長く暮らし続けやすい傾向があります。ただし、同じ種別でも施設ごとに対応範囲は異なるため、個別に確認することが欠かせません。
施設ごとの医療・介護体制の違いはサ高住と住宅型有料老人ホームの違いや介護付き有料老人ホームの解説ページで詳しく紹介しています。
返還金の仕組みは入居一時金の償却と返還金で解説しています。契約書と重要事項説明書は、必ず入居前に家族も目を通しておきましょう。わかりにくい表現があれば、その場で質問して説明を受け、回答をメモに残しておくと、後から「聞いていた内容と違う」というトラブルを防ぎやすくなります。
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